『選挙を前に』(2003/11・04)・・・・・/塩貝文明(43)[町内]−
長い不況が続きます。私はインターネットを使って「展覧会情報」など発信しています。協力してくれる仲間は居ますが、ほとんど一人で取材を重ね、毎週末には京都を駆け巡り、続く編集とアップロードに、最近では自分の作品の制作時間さえ殆ど注込んでいます。「何とかしたい」と思えばこそです。非常勤でご厄介になっているところはございますが、“今の状況から脱したい。”“なんとか仕事として確立させたい”と思うあまりの悪あがき・・。加えて、同じ状況の人たちと共に活路を見出したい。・・・なかなか容易くはございません。しかし、出来ることから積み上げていく以外、方法はないものと自分自身に言い聞かせ、割り切り、どうやら3年近くも掛かってしまいましたが、「こんなホームページ作ってるんや」と人様に言えるようになりました。・・・まだまだ稚拙ではありますが・・。
やっとやっとこんな状況ですから生活はどん底です。エゴとエゴに踏み潰される様に職場から追い出され、その後いろんな職には就きましたが、どこも不景気で、坂道を転がるように仕事が減っていき、いつのまにかまた振り出しに立たされている。その繰り返し。人様の袖にシガミツクことばかり考えていては駄目だと思い至った時、「IT産業」が右肩上がりの快進撃をしておりました。有り金はたいてパソコン教室の門を叩き、後はせっせと、ご覧のページを日々更新し、拡大し、整備し・・・。
結果は、<うまい話は有っても、うまい「現実」はそうそうは無い。> そう改めて思い知らされました。「右上がり」なのはホームページを運営する人間ではなくて、パソコンや周辺機器を売りつける人たちなのだと、今ごろ気が付くような人間が儲かる筈がありません。これまでのどん底の10年間は、まだまだ続きそうです。しかし、こんなどん底だからこそ見えてくるものがあると思います。散々な今のこの国に、丸裸で放り出されているからこそ感じられることが有ると、私は思います。・・・・・今の政治は駄目です。
作家というものは、作品を作らなければ話になりません。作っても売れなければ生きていけない。その間、いろんな仕事を片手に持ちながらぎりぎりのところで制作している。そういう人が大半です。しかし、文化の最先端を担うこれらの人たちの生きる場所がどんどん無くなっている。「片手間で仕事をしている人間なんか要らない」何処もはっきりそうおっしゃいます。しかし、人間社会は彼等を「要らない」のでしょうか?・・・・否。かつてヘンテコリンな物体を社会に送り出したピカソやシャガールやダリやミロ・・・・のメッセージに、人類はどれほど励まされてきたでしょうか。新しい感覚と発見に、根底から揺さぶられた方は結構多いと思います。そして、彼らのような人間がこの先出て来ないとは、誰も断言できません。
しかし、今の日本で、彼等を支える余地は無に等しい。何処も彼処も、経済的にも精神的にも余裕が全く無い。つまるところ、この国の社会全体に潤いが無くなってきているのです。だれも、ただで飯を食わせてくれという作家はいないのですが・・・。
小泉さんは「改革、改革・・」とおっしゃるが、「だから改革だ」とおっしゃるが、改革して何処へ行こうとおっしゃるのでしょうか。この2年余り、私にとっては失望させられる事ばかりでした。皆さんはどうでしょう?・・・まず「リストラの奨励」でしょうか。再構築と読めば何かすばらしい事のようですが、結局は<バブルではしゃいだ>方たちが、<はじけた>ときの損失をどうして補おうかということに他なりません。責任の無い一般会社員を切り捨てて「景気が好くなって来ています・・。」とは、会社の中の単に経理上の話であって、はじき出された国民全体の生活はどんどん悪化しています。
自殺者が、毎年3万人を遥かに越えても、何か手だてを打たれましたか?・・、5年間この水準が続いたそうです。広島・長崎の原爆に匹敵しませんか?・・それでものうのうと、ご自分たちの成果をアピールしていらっしゃる。消費税は、3%で初めて出てきた時、「福祉目的税だ」と言われました。当時の加藤税制会長もそうおっしゃっている。続いて「介護保険」が出てきました。あれ・・・“福祉目的税は?”とお感じになった方多いと思います。「高齢化社会に対応するために仕方ないんだ」という説明でした。5%に引き上げられる時にも同じ説明がなされました。しかし、その後出てきた事実は、“福祉目的”と言いながら、消費税が福祉目的に使われてこなかったと言うことです。消費税で得た分の予算とほぼ同額が、法人税減税に当てられていたという事実です。
そしてまた選挙が近付くにあたって「福祉目的に使おう」と言っている。じゃぁこれまで、どん底で、低所得であえいでいる人間も同等に支払ってきた消費税は、いったい何処へ行ったんだと言うことになりはしませんか?・・・結局彼らの言い分は、「企業(法人)の経営を下支えしなければ・・」ということですが、大きいところほど恩恵を受ける“法人税の減免”という方法で、みんなのゆとりが皆そこへ吸い取られていってしまっている。そして、一般社員は“リストラ”に追い詰められる。・・・これが「改革だ」と言って進められている。
企業というものはみな「個人」のものですよねぇ。収益は、内部の人たちで分配するのですから。その分配方法も「個人」が決めるんですよねぇ。今まで会社の為にと頑張ってきたのが、ある日突然辞めさせられるのも、一部の「個人」の所有物であるがゆえですよねぇ。そこへ、国民全員から「福祉目的」だと言って搾り取った税金が注ぎ込まれる。その税金は、一部の人間によって“分配”されるのです。何もしないでも、その一部の「個人」・・・「会社の所有者」は、巨万の利益を得ることができる。そういう仕組みにしているのが今の政府だと私は思います。一方では過労死寸前まで働いているのにですよ。
私たちが「改革して欲しい」と願ったのは、支払った税金が生かされる社会を創って欲しいということだったと理解しています。しかし、「消費税」の運用問題どころか、例えば道路公団のこれまでの疑惑を解明して欲しいと願っても、どうやらやりそうも無い。議員や官僚の不正も、一向に改まりそうに無い。これのどこが「改革」なのか、一向に私には判りません。「自民党をぶっ潰してでも・・」と絶叫した小泉さんの「改革」が誰のためのものなのか・・これまで自民党がやりたくてやりたくて仕方なかったことを一目散に突き進めているような・・・少なくとも私たち一般の国民のためでは無いようです。とうとう、「消費税」の、これまで納入を免除されていた業者が、収益3000万から1000万に引き下げられました。事実上の増税です。消費者が支払っているのに免除される業者がいたというのも、この制度の大きな不思議のひとつですが、その分、消費者に還元されていたであろうサービスは完全に打ち切られ、政府によって吸い上げられるカタチになったのです。
そんな彼等が、今度は憲法を弄るんだと言っていますが、彼らの標的の9条を変えれば、徴兵制度は目の前です。「何処へ送り込まれるか解らない自衛隊」への志願者は益々少なくなるでしょう。その補充のため、「・・・皆が汗を流し、血を流している時に、日本だけが・・・・」と言ってくるのでしょうが、皆が汗や血を流してるわけでは無いでしょ。先の大戦の時にも、特権を盾に、公然と「免除」された人たちは沢山いました。ゆとりを全部搾り取られて、要らなくなったら使い捨て、今度は命までも持っていかれる。大切に育ててきた命が一部の指導者の采配によって持っていかれてしまう。あなたも私も、あなたの家族も私の家族も「特権」を持たない限り例外ではありません。そんな国が良い筈が無い。
それに、これまで「戦争」「武力行使」という手段で解決した紛争や国際問題が有りましたか? ・・あれほど強大な軍隊を持ち、科学水準の高いアメリカでも、テロや犯罪、「停電」や「山火事」さえ防げない。つまり、力の使いどころが間違っている。「テロ」にはテロを引き起こさせる土壌があり、紛争には紛争を引き起こす原因がある。そして、アメリカが9・11には標的になりましたが、標的にされるだけの、これまで長い間アメリカがとってきた政策や諸外国、地域との関わりがあると私は思います。そのアメリカと同じ事をして「テロ」に巻き込まれない筈が無い。・・・貧困や文盲など、根本的な解決を図らない限り、決して全世界に平和が訪れることはない・・・私はそう思います。それを、大砲、ミサイル抱えて出ていったのでは、結果は見えてるじゃないですか。それでも、国民を危険にさらしてもアメリカ政府と共同歩調を取るんだという小泉さんや公明、保守を、あなたは支持出来ますか。
北朝鮮の問題でも、日本の姿勢に起因するところが大きいと思います。「石原発言」で大きな顰蹙を買いましたが、確かに利権に絡んで、当時の日本になびいた人間も居たでしょうが、被害をこうむった多くの人たちを放置してきた歴史が有ります。特に北朝鮮は置き去りにしてきた。「拉致」はとんでもないことですが、これまで「拉致問題」を見捨ててきた政府の責任なども十分に見つめ直さなければならないと思います。そして、この国にも多くの朝鮮・韓国の人たちが住んでいらっしゃるのですが、政府どうしが頭ごなしに遣り合うばかりではなく、この東アジアに住む人たちの心に訴えるような政策を、まず日本から執って行かない限り、両国の傷もわだかまりも決して埋まらない。ひいては北朝鮮政府による犯罪的行為も解決しないでしょう。
ところが今の政府を見ていると、国内で声高に叫んではいるが、完全に行き詰まっている。かの国の民に、どれほどこちらの気持ちが届いているのでしょう? それを、人心を煽り立てて政権取りのパフォーマンスに利用して、おまけに憲法まで変えてしまえとは、いささか虫がよすぎる。皆さんそうお思いになりませんか。今の憲法を持つ日本だから出来ること・・・これを少しもやらないで、ODAだ海外支援だといって、結局は利権に絡んだことばかりで諸外国を踏みつけて、われわれの税金を無駄にしている人たち、立場を利用して公的資金を着服する人たちに、今度こそ鉄槌を下すチャンスです。そして、今度の選挙が大きな分かれ目だと思うのです。
みんさん「裸の王様」ご存知でしょう。私は、小泉さんや公明、保守の人たちは、あの「服の仕立て屋」に思えてなりません。“改革”という目に見えない服を国民に着せ(着た心算にさせ)、「すばらしい」「かっこいい」と絶賛している服の仕立て屋。身包み剥がされて、命まで奪われてから気が付いたのでは取り返しが付かない・・・そう思います。
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